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しらべない

<芸術は長く、人生は短い(Ars Longa, vita brevis)>

2016-08-13 『コミュニティ・オブ・プラクティス』読書会用のメモ(途中)

@図書館なう。眠くなってしまい集中力を欠いたので、今日の分までをはっつけておこうとぞ思ふ。
担当は二章まで。明日には終えて別のことをやらんとな。

コミュニティ・オブ・プラクティス―ナレッジ社会の新たな知識形態の実践 (Harvard Business School Press)

コミュニティ・オブ・プラクティス―ナレッジ社会の新たな知識形態の実践 (Harvard Business School Press)

【記号の解説】
★強調したいポイント
K=自分のこと、ひと言コメント

【監訳者(野村恭彦)序文】
<要約>
・ナレッジ・マネジメントは情報を集めることでない。人と人をつなぐことだ
K=>最近流行りの組織開発といっていることが同じだとして、両者の接続ってあったのだろうか

・実践コミュニティはゼロックスPARCからうまれたIRLの研究員だったウェンガー
 レイヴとともに1991に発表したコンセプト。
文化人類学的な企業組織の観察を通じ、どんな組織にも「人々がともに学ぶための単位」があることを発見
・共通の専門スキルや、ある事業へのコミットメント(熱意や献身)によって非公式に結びついた人々の集まり
 =実践コミュニティ

・コミュニティ意識=グループや部門から自律して働く「個」が、自発的にネットワーキングする
 専門家同士の仲間への忠誠心
★日本人とはコミュニティ観が違う。
・日本人…生まれながらの地縁 / 米国人…自ら選んで参加するボランティア活動のようなもの
 官僚主義(指揮命令系統がある)←→コミュニティ(非定型、組織の壁を自由に超える、自発的で生き生きとしている)

★大事なことは組織かコミュニティかではなく、組織にコミュニティの良さを意図的に持ち込むこと
 命令でなく自発的に参画し、上下関係でなく知識の貢献度に応じてリーダシップを発揮するようになる

■実践(プラクティス)とは
①仕事の場で実際に行われている活動そのもの
②活動することにより確立された知識や実践事例

実践とはプロセスの対語(ジョン・シーリーブラウン)
プロセス…あらかじめ計画可能な仕事のやり方
実践…一つのプロセスと次のプロセスの間で、人間が行う仕事
   状況依存の意思決定が必要なものが「実践」=重要なナレッジワーク

・頭で考えた「仕事のやり方」(理論)でなくやってみて学んだ「体験知」(実践)を共有する必要がある

・本書は実践コミュニティの手引書。世界銀行マッキンゼーゼロックス、シェルなど事例ベースで語ってくれる

■(本書の)重要な視点
①企業の求心力の変化を理解する…地位や報酬でない点に価値をみる優秀な知識を持った人材がいる

②実践コミュニティを認知する…知識の「領域」「コミュニティ」「実践(プラクティス)」の3つを理解すること
 ー領域…実践コミュニティが熱意を持って取り組む、知識あるいは専門分野がなんであるかを表す。
     組織にとってどんな知識領域が重要なのかを検討すること
 ーコミュニティ…実際に相互交流している人たちの集団を指す。どんな人と人のネットワークがすでに存在しているのか
         探ることで実践コミュニティの萌芽を見つけられる
 ー実践…知識を生み出す活動。定期的に集まっても、知識を相互に学び合い、高め合う実践をしていないとたんなる知り合い

③実践コミュニティをビジネス成果につなげること…評価指標が大事。活動の活性度、事業貢献度を示す必要がある
 ・可視化を怠ると熱意ある推進者が去ったり、擁護者が変わると活動が衰退してしまう
 ・盛り上がりさえすれば良い段階からビジネス成果を求められるようになる
 ・実践者の苦労をリアルに伝える「物語(ストーリーテリング)」から埋め込まれたビジネス成果を抽出する
  具体的で効果的な手法が紹介されていて、これが有効である

④結局は人が、人と人とをつなげる
・想いを持って人をつなげるコーディネーター役を果たす社員の存在が大事。
・経営者はコーディネーターに対して十分なスポンサーシップを発揮し、自由に社内を動き回りつないでいく
 活動を支援しなくてはならない
・最大の敵は「時間」。コーディネーター役を正式に認め、できるだけ多くの時間をコーディネーターが
 コミュニティのための使えるようにする必要がある

■日本での実践コミュニティへの取り組みー大企業病への処方箋
①現場が遠い…地理的に出なく心理的にも遠い。現場で対話し相互交流することが必要
②組織の壁が高い…カンパニー制度は縦割りで壁を越えがたいことも。
 信頼関係が大切。心理的障壁を取り除くことができるか

・実践コミュニティは対処療法的な取り組みではない。一人ひとりの社員意識を変え、行動を変え、
 結果として「社員にとっての仕事の意味」を再定義することを目的とする長期的な取り組み
・実践コミュニティが進むと、「ウラ組織図」が出来上がる(ex住友スリーエム
 例えばジャパンゴアテックスは共通認識基盤という独自のコミュニティ概念に基づいた
 プロジェクトネットワーク組織である

・ナレッジ・マネジメント研究の先駆者であるローレンス・プルサック曰く、日本企業の研究から
 コミュニティのアイデアは生まれた

K=>製造業のTQCとは?それとナレッジ・マネジメントや組織開発の関係は?

<考察・コメント>
・自発性をどうもたらすのか、という点に自分は関心があるな
・自分が思うのは「生活が人質にならなければどうか」というもの
 稼ぐ心配をなくした時に、リスクをとってポジションをとった発言ができるのではと
・そういった安全弁がなくてもリスクとって動ける人というのはなんでだろうとは思う
・リーダーシップがない人に学習させることはできるのか
 できる、というのがリーダーシップ論や学習科学の立場なんだろうが。
・事業が好きかとか、その組織に愛着をもてるか、というそもそもの問題はありそうだ
 そうなると企業理念とか、理念マネジメント(高尾義明)の研究とかも関連ありそう

【序章】
<要約>
ウェンガー…研究者ののちコンサルタントとして活動
・ビル…クライアント向けにコミュニティ構築を支援。論文やツール開発も。
 ウェンガー論文からこのコンセプトを見つけた
・リチャード…ボストン・カレッジでの学会で一緒になり意気投合
実例に基づいた実践者向けの手引書(本書)を書こうと思った

企業例:マイクロソフト、ホールマーク・カード、P&G、J&J、連邦政府、軍事、学校、非営利組織、市民グループ

・実践コミュニティに対する関心は爆発的な高まり。
 背景にはナレッジ・マネジメント分野の大きな波がある。
①テクノロジー→②行動、文化、暗黙知→③知識を経営に活かす

章立て
一章、二章…実践コミュニティとはなにか、なぜ組織にとって重要かというコンセプトの基礎
三章、四章、五章…コミュニティ開発の技術について、基礎的な設計原則から、発展段階の支援プロセスまで
六章…分散型コミュニティという特別ケース
七章…コミュニティに起こりえる不調
八章…評価と管理
九章…全社的な知識推進活動の運営
十章…実践コミュニティが単独の組織という枠を超えて、一般的に社会の中で知識を体系化するという可能性について

<考察・コメント>
・どうも時代背景を知らないとナレッジ・マネジメントがなぜ起こってきたのかとか
 野中郁次郎がここまでカリスマ視されていることとかがわからない
認知科学と背景を共有している面も多々あるようで、経営とか企業に沿っていったのは
 今にして思えば妥当といえば妥当だなと。
・K先生ではないが、企業とか仕事にコミットする学者っていうのはやっぱり難しいのかしら。
 受け手としても、やりづらいから協力しがたいところもあるよなとは思う。
 ポップな学者って成立するのかいな…両方バッチリって学者いるのかな

【 第一章 実践コミュニティについて ー今なぜ重要なのか 】
<要約>
クライスラーの実践コミュニティの例より
 新製品開発のライフサイクルで遅れを取っていたクライスラーは開発サイクルを短縮する必要があった
 実践コミュニティが大きな役目を果たした

ユニットを再編 「カー・プラットフォーム」
大型車、小型車、軽自動車、トラック、ジープなど車種別の職能横断型組織
エンジニアは専門がなんであれ、所属するプラットフォームのマネジャー下に
※もともとは、ブレーキ部門とか、パーツ別だったが、車種別になって車両全体の開発に向かうようになった

結果的にライフサイクルは5年から2年半に半減した。
しかしながら、部品が異なりサプライヤーとの関係が会社としてまとまりを欠いたムダな発注に

★プラットフォームを超えて意思の疎通をはかるため、元同僚たちは形式張らない会合を持つようになった
これが大事だと経営陣は気づいた。しかしながら、エンジニアの忠誠関係と指揮命令系統はプラットフォーム内に
とどめておきたかった。

非公式な要素を持つ機構として認可し、支援提供。「テッククラブ」と呼ばれた。

・テッククラブは品質部門チェックの前に、設計検討会を独自に行った
・エンジニアリング・ブック・オブ・ナレッジ(EBOK)という、エンジニアに役立つ知識のデータベース集を
 制作するという古い構想も蘇らせた。テッククラブに一任されたことで成功した
・エンジニアはテッククラブへの参加が職務遂行に役立つことと、メンバーとともに過ごす時間が
 実り多いものであることにも気づいた

★実践コミュニティは知識経済の最前線に立つ企業にとって必要である
 組織の中で正統的な地位を占めることができれば、知識を中心にして組織をまとめあげ
 人々を結びつけ、問題を解決し、ビジネスチャンスを創出できる

K=>導入できないのはなぜか?指揮命令系統を有していたいからか。
  現実は、ある程度こういう活動を導入しているが、肝心の点は管理し、譲らないのが組織。
  つまりは使い分けではないかと思う。

■実践コミュニティ(コミュニティ・オブ・プラクティス(COP))とは、
あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を、
持続的な相互交流を通じて深めていく人々の集団

・どのようなかたちで知識を共有するのであれ、ともに学習することに価値を認めているからこそ、
 非公式なつながりを持つのである。価値と言っても、仕事に役立つというだけでなく、理解し合える
 同僚と知り合い、興味深い人々の集団に属するという、個人的な満足感にも意義がある。

K=>アイデンティティの構築問題は興味がある。社畜という概念と表裏一体のようにも思うけれど。

・実践コミュニティとは新しい概念ではない。人類が洞窟に住み、焚き火の周りに集い、獲物を追い詰める
 作戦や鏃のかたち、食用に適する草の根などについて話し合っていた太古の昔から続く、
 人類初の知識を核とした社会的枠組み(ソーシャルストラクチャー)である

ex.古代ローマの「組合」、中世のギルド、現代のデトロイトシリコンバレーなどの産業の集積

・なぜ実践コミュニティが重要なのか。そのものが新しい概念だからではなく、より意図的かつ系統的に
 系統的に知識を経営に活かすこと、この古来の仕組みにビジネスで新しく中枢的な役割を
 担わせることが組織にとって必要になっているからなのだ

・企業の内部では、テッククラブのような小規模単位への分割が進行しているが、
 社外では、「拡張エンタープライズ」として他の組織と手を結ぶことが多くなっている
 実践コミュニティは個々のビジネスユニットだけでなく、異なる組織の人々をも結びつける
 そしていつしかシステム全体を、求められる中核的な知識の周りに結び合わせていく

こういった読書会はも少しやってみたいものと思う。なかなか読み進められないのでこういうふうにしないとなと。
自分以外の人も仕事忙しいのだが。